青春18きっぷ東北の旅 #2 快速はまゆりと日本三景・松島、そして東北本線【浅野】

2025年11月14日未分類

悪天候の日本三景・松島と仙台

日本三景は、安芸の宮島丹後の天橋立陸奥(明治期:陸前)の松島のことを指す。江戸時代寛永年間の儒学者・林春斎が著書『日本国事跡考』で「松島、此島之外有小島若干、殆如盆池月波之景、境致之佳、與丹後天橋立・安藝嚴嶋三處奇觀2と書き記し、後に元禄年間の儒学者・貝原益軒が著書『己巳紀行』において天橋立を「日本の三景の一とするも宜也」3と記し、「日本三景」という言葉が一般に知られていたことが示されている。

筆者は、宮島と天橋立には2度行ったことがあるものの松島には一度も行ったことが無く、今回松島に行ったことにより日本人21年目にして日本三景を制覇した。しかし当日は朝から天候が悪く、松島海岸の駅に着いたころにはかなりの大雨が降っており、遊覧船に乗ったりもせず30分もしないうちに撤退を余儀なくされた。

悪天候の日本三景・松島①
悪天候の日本三景・松島②

因みに、1915(大正4)年には、実業之日本社主催により「新日本三景」が選定されている4。このとき選定された「新日本三景」は、北海道亀田郡七飯町にある大沼、静岡県静岡市にある三保の松原、大分県中津市にある耶馬渓の3つである。こちらは、筆者はどれにも行ったことがない。

さて松島海岸駅のある仙石線であるが、国鉄時代に関東圏で活躍した205系が改造された205系3100番台が使用されている5

現在205系が運用されている線区は、

・JR東日本 仙石線 全区間(あおば通~石巻間)(205系3100番台)

・JR東日本 南武支線 全区間(尻手~浜川崎間)(205系1000番台)

・JR西日本 奈良線 全区間(京都~木津間)(205系0番台、1000番台)

 (運用上、JR西日本関西本線・木津~奈良間にも乗り入れ)

である6。ただしJR西日本の奈良線で運用されている205系1000番台は、1988年に阪和線向けに設計・投入したもの7であり、国鉄時代に製造された車両ではない。

205系・仙石線あおば通行 @松島海岸駅
松島海岸駅コンコースの電光掲示板

仙台への帰還、そして南下

仙台へは早々に戻り、夕食を取ることとした。仙台と言えば牛たんである。仙台駅にある「牛タンストリート」にある「牛たん焼助」にて牛たん定食を食した。牛たん4切れと、麦飯、テールスープがセットで2,150円。なかなかに良い値段のように感じるが、仙台の牛たん業界では全然そうでもない。少なくとも、定食で2,000円は超えてくるし、3,000円でもリーズナブルな部類といったところだろう。

4切れのうち、「仙台味噌仕込み」と「塩仕込み」、そしてその両方「ミックス」を選ぶことができる。折角だから、と「ミックス」を選択。どちらも当然のことながら美味い。味噌はコクや奥深さが目立ち、塩は言うまでもない安心感。メジャーな店や高級店ではないが、満足度はかなり高かった(欲を言えばもう何切れか追加で欲しいなといったところだが)。

牛たん定食(4切れ) 2,150円。編集時の筆者への盛大な飯テロ。

仙台でも毎度毎度だがあまり時間が取れず、しかも夜の時間帯だったので仙台駅からは動かずに2~3時間過ごすこととなった。土産物を買ったり、ソフトクリームを食べたりしてなんだかんだで割とすぐに時間が経った。

ちゅんちゅんソフト 500円 @仙台駅
仙台駅前のペデストリアンデッキ
東北楽天ゴールデンイーグルスの広告 @仙台駅

21時00分発の東北本線の福島行に乗り、投宿地である郡山へと南下する。仙台近郊ということで、かなり混雑しており途中まで着席できなかった。往路は東北本線ではなく常磐線で北上したため未踏の区間である。

福島での乗り換えを経て、23時17分に東北第二の都市圏・郡山都市圏を擁する郡山駅へ到着。郡山駅から西へ徒歩15分くらいのところにあるビジネスホテルに投宿。思った以上に栄えている印象で、アーケードの感じがどことなく広島の紙屋町あたりを思わせるなあと感じたり。

陸奥国安積郡衛址(郡山地名発祥の地)
セブンイレブン虎丸店
24時間営業を日本で初めて実施したコンビニだという

さてこのへんで#2は締めにかかりましょう。次は、最終日の3日目。台風接近に伴い運行状況が危ぶまれる事態。青春18きっぷの有効期間、3日間で無事に大阪に帰還できるのか。#3に乞うご期待を。

参考文献

  1. やまなか家ジャーナル. “なぜ冷麺にスイカ?冷麺に入っている果物の秘密を解明!"
    https://kyfoods.shop/blog/noodles/cold-noodles-watermelon-why.html?srsltid=AfmBOopiIb4e-RI4ouXUlW9arS-s9k36btU39OAaH0rrTdbfQUjeNeD1, (2025-11-13参照) ↩︎
  2. 林春斎. 日本國事跡考. p.94.
    (国書データベースより参照 https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100338739/48?ln=ja) ↩︎
  3. 長谷川成一. 近世丹後国「天橋立」 : 名所・名勝の危機と景観保全の論理、神罰と民衆. 文経論叢. 人文学科篇. 14, 1994, p.93‐124. ↩︎
  4. YABAKEI TRIP. “日本新三景「耶馬渓」の秋へ!".
    https://yabakei.com/blog/2019/11/17/633/, (2025-11-13参照) ↩︎
  5. ジェー・アール・アール編. JR電車編成表 2025年夏. 交通新聞社. ↩︎
  6. 同上 ↩︎
  7. 同上 ↩︎

Posted by 浅野