C105参戦記~初のサークル参加、時々鉄道旅行記・前編~【浅野】

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前置きと前日譚

 コミックマーケット。それは我が国日本、いや世界中のオタク(岡田斗司夫的「オタク・イズ・デッド」説はさておき)達の憧れの場である。今記事は、私が昨年12月のコミックマーケット105(以下C105)に、旅するマネージャー氏の主催するサークル「旅する〇〇」の売り子としてサークル参加した際の体験記である。

 一昨年の夏コミ・C102以来の2度目のコミケ参加となった。その折は一般参加でしかも2日間連続の参加だったので、ニュースでよく見るあの長蛇の列に2度も並んだわけである。1日目はかなり炎天下、2日目は小雨気味でそれはそれで熱中症リスクが高そうな天気であった。しかし今回は売り子としてサークル入場などというものを覚えてしまう。あまりにも楽でスムーズなだけに一般入場に戻れる気がせぬというのは、また後の話。

 大阪に住む私にとっては、どのようにして東京ビッグサイトへアクセスするのかというのは死活問題である。2日目のサークル参加になんらかの事由で遅れるわけにはいかず、またコミケの2日前の12月27日まで大学の授業があり28日にも既に予定があったため、自ずと28日夜発の寝台特急サンライズ号を狙うほか無いという状況であった。対抗馬として夜行バスという選択肢もないではないのだが、サンライズ号の切符が発売される発車1ヶ月前の段階ではコスパなど見る影もなく、時期も当然相まって1万円近い価格に吊り上がっており論外である。

 まあ、要するにすべての運を賭けてみどりの窓口での発車1ヶ月前の10時打ちに臨むことにした。大阪駅では「10時打ち専用レーン」なるものがあるらしいが、始発ぐらいの段階から開放されるので結局並ぶだろうということで使わなかった。最寄りのみどりの窓口である京橋駅は2つ窓口があるものの、常に一般購入者で行列ができているため、前は通ったが間に合わないだろうと思いスルー。窓口閉鎖の波から何故か生き残っている神戸線沿線の窓口に行こうとする途中、なんとなくほぼダメ元、断られるつもりで天満駅に立ち寄ってみた。窓口が1つしかないためあまり望ましくない選択ではあるのだが、快く10時打ちを受け入れてくれた。

 若手の駅員さんが電話の時報サービスまで使って対応してくださり(本人曰く流石にミスったら怖いから…とのこと)、無事出雲のシングルの大阪→東京間の切符を手に入れることができた。シングルは14両中の80部屋1と最多で取れる確率が最も高いためのチョイスである。それを考えれば窓口ではなくe5489でのセルフ10時打ちにも関わらず、4分の1の20部屋しかないソロを取れたC102の時は結構な強運だったようにも思う。

いざ東京へ(寝台特急サンライズ号乗車記)

 サンライズ号自体の乗車はのべ3度目。1度目は、中2終わりの春休みに当時所属していた社会科部の個人研究の調査(テーマは「夜行列車の今後について」)も兼ねて、大阪→富士間をノビノビ座席で乗車した。花粉の時期にも関わらず、マスクを忘れて1日中しんどかったのを鮮明に覚えている。2度目は先述の通り、C102に参戦した際にソロに乗車した。東京まで切符は買っていたが、京急に乗りたかった+ネカフェでシャワーを浴びたかったため横浜で途中で下車した。

 大阪駅へは1時間ほど前に入り、11番のりばの待合室で時間を潰した。大阪駅11番のりばは、往年の北陸特急や夜行列車が発車した名残が感じられて個人的に非常に好きである。理由はちょっと忘れたが、列車は6分ほど遅延して到着した。8月の夏休みシーズンで当然満席であり、上りの最終乗車駅となる大阪駅からもかなりの人が乗車するようであった(下写真)。

寝台特急サンライズ号到着前、大阪駅11番のりばにて

 実際乗ってみた感想としては、確かに若干ソロよりも広いような気がするがそこまで差は感じられないなというのが正直なところだった。まあ1,000円しか変わらないので、10時打ちで確実に抑えるなら払っても良い金額ではあるし、閑散期で狙わずに取れそうなら全然ソロでも良いような気がする。平面的な広さというよりは、上下方向に少し余裕があるような感じがした。そして早く寝たいなという思いを持ちつつ、検札を待った。発車して30分ほど、1時を過ぎてから検札が回ってきて、確かな位置は忘れたが草津だかなんだかを過ぎた辺りで眠りについたはずである。いつも通りではないにせよ、7~8割程度の質の睡眠が確保されるのはありがたいものだ。

 翌朝は、東京到着1時間ほど前の6時半に目覚まし時計(寝台車に標準搭載のもの)によって起床した。ほどなくしておはよう放送が流れ、横浜に到着。この時点で30分程度の遅延があり、東京駅には7時半頃に到着した。

箱根湯本・小田原小旅行 ~小田急線素材集めの旅~

 コミケ1日目にあたる12月29日は、ビッグサイトには向かわず東京近辺を回ることにした。というのも、気づいたら一般入場用のリストバンドが売り切れていてどこにも売っていない状態だったからである。ジャンル的にも1日目はそこまで目星を付けているサークルはなく、一介の団員として所属しているSOS団京大支部が機関誌を出すためサークル参加しているくらいであったため、その日の入場は見送ることにしたのである。

 代わりにどうしようかと迷った挙句、登録者6千人規模の鉄道YouTuberをやっている大学の友人に素材集めを手伝うぞと申し出ることにした。彼は私鉄を題材とした「迷列車で行こうシリーズ」の動画を作っているため、基本乗ったことのない関東私鉄(京急以外)の動画を撮ってくるよということになった。ワンデイパスが現実的な価格で、彼目線で動画にしやすいという条件を満たしたのが小田急であった。そして箱根登山鉄道もちょっと撮ってきて欲しいと言われ、こうして、箱根湯本1人旅が発生したのである。

 東京に来るだけでかなりの交通費の出費を強いられているのは言うまでもなく、暇潰したる1日目は倹約を余儀なくされた。よって、小田急の看板である特急ロマンスカーは外観の撮影だけして乗車しないという鉄オタ的にどうなのかというムーヴを行い、快速急行でえっちらおっちら小田原・箱根湯本方面へ向かうことにした。

1日目の相棒・1000形電車 @小田急新宿駅
30000形ロマンスカーEXE-α @小田原駅

 サンライズ号のシャワーカードは売り切れてしまっていたため前日の夜には風呂に入っていない。箱根湯本の温泉街で朝風呂に入ることにした。流石関東圏の主要観光地なだけあって、どこもかしこも良いお値段。その中でも比較的リーズナブルで格式高い「早雲 足洗の湯 和泉」を利用した。入浴料は大人1,250円。因みに、愛媛県の道後温泉本館は入浴のみで700円、神戸市の天然温泉・灘温泉は450円。まあ観光地価格、観光地価格。

 「和泉」は、箱根最古の源泉「惣湯」を含む7つの源泉を利用しており、その昔北条早雲も湯本の温泉につかったと言われているそうである2。内湯・外湯ともに充実しており、非常に良い湯を楽しむことができた。

早雲 足洗の湯 和泉①
早雲 足洗の湯 和泉②

 その後は箱根湯本駅周辺でいろいろ食べ歩きをした。なんらかの飲食店に入って昼食という手もあったが、わざわざ年末の人がごった返す行列に並ぶほどの気力はなかったのである。参考までに、以下に細々と食べたものを載せておく。上から箱根まんじゅう、たまねぎ棒(練り物)、みたらし団子の順である。どれも美味かった。

菊川商店の箱根まんじゅう(爪が長い) 80円
籠清かまぼこ横丁のたまねぎ棒 400円
北条 三福だんごの白団子みたらし 500円

 一通り湯本の温泉街を歩き回り、箱根を後にした。普通電車で小田原へ戻り、次なる目的地は小田原城。天下人・豊臣秀吉に最後まで立ち向かった相模北条氏(後北条氏)の本拠地であった。中世から続く城郭、近世の北条氏の城郭、豊臣軍に備える総構え、そして江戸時代の改修部分と様々な顔が見られる城跡である。

 天守閣は、昭和35年に市制20周年記念事業として総工費8千万円をかけて復興された小田原市のシンボル3、要するに復興天守の一つである。特に登ってみようという気はなかったが、年末だからか結構な人が訪れていた。市街地の高さ規制もやっているそうなので、登ると景色が良いのだろう。

小田原城の内堀
小田原城天守閣

 そして小田原を後にして、新宿方面へ小田急線の快速急行で向かった。途中で江ノ島方面に分岐する選択肢もあったが、睡眠不足が災いしてか車内で寝てしまい、気づけば新百合ヶ丘すらも過ぎてしまっていた。戻るのも面倒なので、東京都区内を適当に回ってみることにした。

都内周遊 ~四ツ谷・国会議事堂・その他~

 前回東京を訪れた際には、上野の国立科学博物館を90分でエクストリーム観覧したり、新宿御苑を歩いたり、コミケ終わりには見劣りする秋葉原に行ったりとまあなんとなく忙しない感じであったが、今回は夕方手前で特にすることもないので時間だけはあった。

 まず前から行ってみたかった、映画『君の名は。』の聖地・須賀神社の石段を訪れた。あの一番有名な振り返るシーンの舞台である石段は、中央線四ツ谷駅から徒歩約15分程度の、坂がちで寺社が集まる地域に位置する。

国道20号線(北東)側から見た石段

 日本人観光客だけでなく、アジア系の外国人観光客も多くいた印象である。実際の角度から写真を撮るには人が映ってしまうこともありできなかったが、臨場感があってとても良かった。参考画像のようなもっと夏の暑い晴れた日が写真映えするだろうなと思ったが、やっぱり聖地巡礼って良いね。

 四谷三丁目から東京メトロ丸ノ内線で移動して、国会議事堂前で下車。名の通り、国会議事堂を見に行ったわけである。外から見るだけなので特に問題はないが、年末年始の限られた閉門日だったようで全くもって人気が無かった。次来るときは中の見学もしてみたいところである。

国会議事堂
桜田門

 この後は、折角都区内パスを買ったからと地下鉄やらJRやらを乗り回ったり、何も買わないのに懲りずに秋葉原を歩き回ったりして、結局22時頃に王子駅の東横インに投宿した。

 このままでは長くなりすぎるので、まだコミケに辿り着いてもいないが続きは後編へ。

  1. 寝台特急サンライズエクスプレス【非公式】情報サイト
    https://sunrise-express.info/facilities/ ↩︎
  2. 早雲 足洗の湯 和泉 公式ウェブサイト
    https://hakone-izumi.info/ ↩︎
  3. 小田原城 公式ウェブサイト
    https://odawaracastle.com/ ↩︎
  4. ©2016「君の名は。」制作委員会 ↩︎

Posted by 浅野